当社に実際に寄せられたM&A相談をもとに、関係者のプライバシーおよび秘密保持に配慮し、一部の内容を加工・再構成して掲載しています。
相談の背景
兄弟で金型会社を経営し、一方が現場、もう一方が営業を担当している会社から、次世代への承継についてご相談をいただきました。社内に経営を引き受ける後継者がいないことから、地域で事業承継先を探す製造業グループとの連携が検討対象となりました。現場の技能と顧客関係を、経営者の交代に合わせてどう引き継ぐかが中心のテーマでした。
重視した条件
重視したのは、兄弟それぞれの希望と責任を明らかにし、営業と現場の両方に引継ぎの見通しを持たせることです。同じ時期にすべての役割から離れることを前提とせず、関与する業務と期間を分けて検討しました。従業員の雇用、顧客への説明、屋号の扱いについても、譲渡価格と併せて確認する条件として整理しました。
整理した論点
株主構成、役員借入、個人保証の状況を確認し、株式の扱いと役員としての退任条件を混同しないよう整理しました。退職金や顧問としての関与も検討事項に含め、それぞれの希望を確認する必要がありました。事業面では、営業の窓口や見積判断、現場の技能を誰が担っているかを洗い出し、資料で伝えられる内容と同行が必要な内容を分けました。
相談を通じて整理した方向性
相談を通じて、経営者の希望条件と事業上必要な引継ぎを一覧にし、候補先と営業・現場の役割分担を話し合う方向を整理しました。引継ぎに向けては、顧客説明への同席、技能を伝える担当者、残る業務の範囲を確認します。借入や保証の扱いは関係先への確認も必要な論点として残し、解消を当然の前提にせず検討することにしました。