当社に実際に寄せられたM&A相談をもとに、関係者のプライバシーおよび秘密保持に配慮し、一部の内容を加工・再構成して掲載しています。
相談の背景
新規製作よりも補修・改造の継続的な依頼に強みを持つ金型会社から、事業承継についてご相談をいただきました。大型の製作案件だけに左右されにくい取引がある一方、その依頼が誰との関係で続いているのかを説明する必要がありました。継続的な顧客接点を広げたい同業会社との連携を視野に、補修業務の実態を整理しました。
重視した条件
重視したのは、過去の補修売上をそのまま将来の売上とみなさず、顧客が依頼を続ける理由と対応体制を確認することです。代表者の個人的な関係、技能者の判断、緊急時の対応を区別して整理しました。譲渡後も問い合わせを受けられる窓口や、主要顧客への説明に誰が関与するかを、候補先と確認する条件にしました。
整理した論点
顧客別の月次補修件数、単価、対応者、再発した案件、緊急対応の履歴を確認事項として整理しました。補修履歴と売上資料を照合し、繰り返し発生する依頼と個別の改造案件を分けて説明する方針です。図面や金型台帳の所在に加え、電話受付から現場確認、見積、納期回答に至る流れを確認し、担当者だけが把握する内容を洗い出しました。
相談を通じて整理した方向性
相談を通じて、補修の受付と現場対応を一体で引き継ぐ方法を検討し、主要顧客への説明や同行の範囲を整理しました。引継ぎに向けては、緊急依頼の連絡先、対応を判断する人、履歴の共有方法を確認する必要があります。継続受注を約束されたものとして扱わず、依頼を支えてきた実務と顧客関係を候補先へ伝える方向で検討することにしました。